いまから約5年前
忘れられない事があった。
2015年10月5日。
長野県でのドウカティのイベントを終えた僕は
その足でアウトライダー誌の旅取材のために
愛知県の知多半島へ向かった。
半島の先端には三河湾三島と呼ばれる
離島が3つある。
そのうちの日間賀島と篠島へ
渡るフェリーに乗るため
師崎港へ向かった。
小さな島のようなので
バイクは師崎港に預け
歩きで回ることにした。
先に篠島、続いて日間賀島へ渡った。
のんびりとした島には
警察がないのか
ノーヘルのスクーターが
ビュンビュン走りまわっていた(笑)。
日間賀島を歩きで半周。
船が着く港に戻ってくる頃には
かなり疲れ、珍しく息が切れていた。
たくさん歩いたからだろうと思い
しばらくベンチで休憩する。
1時間近くすると
体調はかなり落ち着き
いつもの通りに戻った。
島を離れて師崎港に戻ると
半島にあるゲストハウスへ向かった。
経営者はとても楽しいご夫婦で
おしゃべりが楽しく
旅話で盛り上がった。
10月6日。
翌朝、パッキングを始めると
また少し胸が苦しくなってきた。
昨日と同じような症状
何だろう?
でもまあ、しばらくすれば
昨日のように収まるはず…
そう思い
ゆっくりパッキングを続けた。
荷物を載せるとバイクで走り出した。
師崎港の周辺は古い町並みが残っている
ノスタルジックな雰囲気を撮影しようと
バイクであちこち動き回るが
いまいち体調が悪い。
バイクを止めてベンチに腰を下ろし
回復するのを待つが
良くなる気配がない。
胸の辺りが鈍く重い。
何だろう?
こんなことは今まで一度もなかった
一体どうしたんだろう?
昨日に続けて今日も
肺かな?それとも胃?
どこの部位が調子悪いのかさえも
わからなかった
「あっ!」
次の瞬間
僕はある場面を思い出した。
この旅の数か月前。
あるイベントでヒロコの知人の
霊視ができるという人に会う機会があった。
その人は僕を見て
「…そうですね、心臓に気を付けてください」
と言ったことを思い出したのだ。
これまで心臓の病気に
なったことはないし
検査に引っかかったこともない。
「何を言ってるんだろう?」と
その時は気に止めなかった。
これはもしかして
心臓か??
うそだろ
だとしたら
ヤバいじゃん!!
僕は慌ててバイクに跨った。